話題の【文庫X】に込められた切実な願い

岩手県盛岡市の「さわや書店」の店員さんが、手書きのブックカバーを書いて、タイトルも中身も分からないようにして販売した。それが、ツイッターなどのSNSで拡散されて、話題になったのが【文庫X】

 

本は5刷、5万5千部を超えたとか。地方から始まって全国に広がった。で、ついにぼくの住む千葉にも上陸した。ネットで話題にはなってたけど、本屋で買うまでは調べないと決めていた。

文庫Xがネタバレしない理由

2016年12月9日に「文庫X開き」と題して、本のタイトルや中身を公開するようだ。けど、いまだにネタバレは少ない印象を受ける。さわや書店では、レシートにもタイトルを表示させないという徹底ぶりだったようだ。もちろんぼくのもらうレシートにも・・・んんん???????書いてた。

 

ブックカバーから見ていこう。

2016-10-12-21-48-47

申し訳ありません。ぼくはこの本をどう勧めたらいいか分かりませんでした。どうやったら、「この本が持つ衝撃」、「面白さ」、「圧倒的な魅力」を伝えられるのかを思いつきませんでした。だから、こうしてタイトルを隠して売ることに決めました。この本を読んで心を動かされない人はいないと固く信じています。500Pを超える本です。怯む気持ち

2016-10-12-21-49-02

は分かります。小説ではありません。が、それでも僕は、この本をあなたに読んで欲しいのです。ある事件の真実を追い求める著者の迫力と執念に圧倒されます。本当にページをめくる手が止まりません。知らないでは済まされない現実がこの本に描かれています。あなたもこの作品に出会って欲しい。そう切に願っています。ここまで読んで頂いた方、それだけで感謝致します。本当にありがとうございます。(既に、お持ちの本であった場合、返金致します

 

2016-10-12-21-49-13

これは、ぼくが買った店が真似て書いたブックカバーで、店によって多少の違いがあるみたい。

見えているかもしれないが、ビニールで包装されている。けど、本に挟まっている註文カード(スリップ)を引き抜けば、タイトルはわかる・・・

タイトルが分からない良さ

先入観にとらわれずに読んで欲しい。そんな想いから、タイトルを隠していた。もしタイトルを知っていたら話題になっていても、ぼくは買わなかったと思う。だから、この売り方をしてくれたおかげで手に取ることになった。

 

ブックカバーからは、価格は税込み810円で、500ページを超える本で、ノンフィクションの事件である。くらいしか分からない。「こうして隠していなかったら出会わなかった」と感謝の声も多いようだ。さわや書店では、1ヶ月で1000冊近く売れることになったそうだ。

 

それでも中身が良いものでなかったら、こんなには売れていないと思う。安易に次は「文庫Z」とか同じ売り方をしても売れないと思う。紹介する人にも、著者にも切実な願い、伝えたいメッセージがあるからこそ売れているんだと感じる。

ネタバレしない理由

内容を知って、まだ広がって欲しいと思う。だから、先入観を持たずに買えるままにしておきたい。そんな本好きな人たちがいるからこそ、ネタバレが少ないのだと思う。

 

けど、検索すればタイトルがわかるのも事実。それと、読んで欲しいとぼく自身も思えたから、タイトルを公開する。ここから先は、本屋によく行く人は、読まないでください。先入観なく手に取るのもいいもんだと思えたので。

切実な願いに泣いた

まずは、この本を紹介しようと思った人が、誰なのか?

 

ぼくは、子を持つ親なんじゃないか?と思った。実際に起きた連続殺人事件が題材になっている。そして、その犯人はいまだに野放しにされている。さらに、野放しになっている理由も犯人には関係なくて、DNA型鑑定が頼りにならないものだと知られたくないからだという。ひとことで言えば、検察庁のプライドを守るため。

 

そんな理由で野放しになっている犯人が、近くにいるかもしれないという事実は、確かに衝撃だった。サブタイトルから紹介する。

 

「隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」

 

これも検索すれば、いまだに解決していないことを知る。平成25年に新潮社から発行されているから、3年は経っている。5人の女の子が誘拐されて、時効になった事件が4件。時効って・・・時効なんて無くせばいいのに。ここらへんは複雑なので、本を手に取ってもらうのがオススメ。

レシートを公開する

2016-10-12-21-08-04

タイトルが載ってる!!!というのを、公開したかったんだけど・・・

 

タイトルが分からないから、先入観なく買う人がいる。これはわかる。わかるけど、タイトルを見て「ないな」と思った人も、「この本はかなり印象に残る本」だと伝えたい。

 

免罪。本当の犯人ではないのに、逮捕された人の話も印象的だが、ぼくは、メディアによる洗脳について書かれているところが印象的だった。

この人は、風俗嬢なのか?

警察から情報を得て、ニュースとして流すマスコミ(報道機関)。マスコミを信じるのは、やめたほうがいいよ。という話。

 

ストーカー規制法がない時代の話。

 

ストーカーによる脅しや嫌がらせで身の危険を感じていた女性は、警察に「このままでは殺されます。助けてください」と言い続けていた。それでも、警察は「これは男と女の問題。警察は取り合わないよ」と相手にされなかった。友人にも「本当に殺される」と犯人を名指しした遺言を残している。

 

結局、警察は何もしないまま、女性は殺害されてしまう。本当に事件となって慌てる警察。そして、どう対応していったかというと、相談を受けていたことなどをごまかしながらの会見を開いた。

 

そして、「黒いミニスカート」「プラダのリュック」「グッチの時計」・・・と、持ち物を公開していく。マスコミは警察そのものが取材対象だから、与えられた情報からニュースなどを流す。

 

真昼間に駅前で、刺殺された女子大生。その女性のことを「被害者は水商売のアルバイトをしていた」とか「風俗嬢のB級事件だよ」と捜査幹部はマスコミに言い回り、それがニュースになった。

メディアが人物像をつくる

女子大生の持っていたブランド品は、自分でお金をコツコツと貯めて買ったものだった。水商売で給料をもらったことはない。友人に頼まれてお酒を出す店で手伝いはしたことがあった。

 

それなのに、「風俗嬢」と呼ばれたのは、なぜか?警察のプライドやメンツなんかを守るためだ。メディア対策として、マスコミに情報は流してあるし、被害者遺族の対策もしっかりしていた。

 

イメージ操作に成功したわけだ。警察としてのやることはやってきた と見せかけることに成功した。メディアによって人物像は、変えられる。「そんな仕事していたら、仕方ないよね」って流れにできた。

どんな職種か?

あんな仕事してる人は、こんな人だ!と決めつけるっておかしくない?仕方ないよねって納得する方にも問題はある。イメージ操作をされていたから、仕方ないのか?

 

たとえ女子大生が風俗嬢だったとしても、守るべきでしょ。一人の女性が殺害されたことには変わりない。どんな職種か?だけど、仕事になっているってことは、需要があるってこと。

 

もしも、自分が女に生まれていたら、風俗嬢は避けたい。「愛が欲しいの!」とか、そんなことは言わない。避けたいのは、どんな人を相手にするのかと考えると、キツイ仕事だと思うから。この女性は、一般的な女子大生だったようだけど。

 

「謝って済むなら、警察はいらない」・・・こんな言葉もあったな。前置きがなく「警察はいらない」と言われないような仕事をして欲しいものだ。

さいごに

この本に出てきた、松田ひとみさんのひとことに、ぼくは泣いてしまった。子供を失った親の言葉は重すぎた。それは、切実な願いだった。当事者でなければ出ない言葉で・・・そこは読んで知るのがいい。

この本は、タイトルや中身がネタバレしてもオススメできる。読んで感じられるものがある。ブックカバーを目当てに書店で買うのもアリだと思う。たまには、ビニールを破くのも楽しめる。リアル書店で手にして欲しい一冊。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください